第23章 政宗の小姓2
「玉瑛殿」
「三成様、何度もお呼びしたんですよ。
今日は政宗が忙しいので、よろしくお願いします」
瑠璃が言うと、
「もうそんな時間でしたか……」
ポリポリと頭を掻いて照れる。
「ところで、玉瑛殿、それはどうされたんですか?」
至るところに巻かれた、包帯だらけの瑠璃を見て、三成が目を見張る。
「獣?虎?に噛みつかれたんです」
少々、忌々しそうに答える瑠璃。
「あぁ、照月ですね!
そろそろ 大きいので、噛みつかれては危険です。気を付けて下さいね」
瑠璃が政宗の飼っている子虎に噛まれたと思った三成。
(鈍くてよかった)
(ところで、光秀様に睨まれたあの人達…どうなったのかしら……?
魂、抜けてなきゃいいけれど)
肩を竦めて、小さく笑った。