第22章 政宗の小姓(R18)
5日ほど経つと、政宗に挨拶をするフリで瑠璃を見て、顔を赤らめ、キャァ、キャァ言う様になった。
7日経つと、
「玉瑛様、おはようございます」
「本日も麗しゅうございます〜」
「お勤めご苦労様です」
などと、直接声を掛けるようになっていた。
「おはようございます。皆さんこそ、朝早くからお仕事ご苦労様です」
瑠璃もニッコリと笑顔を見せれば、
きゃぁーっっ❤️黄色い歓声が上がる。
しかも、清々しく美しいキラースマイルで
「皆さんも、可愛いですよ。城の中の花のようです」
リップサービス。乙女達を喜ばせる言葉は忘れない。
「行くぞ、玉瑛」
「それでは、皆さん、今日も頑張りましょうね」
爽やかに笑いかけ言葉を残す。
颯爽と歩きだすと背中の方から、乙女達の悶える様な声と、盛大な桃色吐息が追い掛けてくる。
「クククク…」
政宗は毎日、笑いを堪えるのに必死だ。
そして、天守でも笑いを堪えている人物が居た。
そんな毎日が面白くないのは下層家臣達だ。
陰口も甚だしくなってゆく。それを耳にした女中達が瑠璃を庇うので、また更に面白くない。