第20章 禁止令発動
考えてみれば、青葉城を出発してかれこれ
ひと月 身体を休める時間はなかった。
旅は身体だけでなく精神的にも辛かったはずだし、拝賀謁見が終るまで精神的重圧はかなりだっただろう。
それに加え自分との喧嘩、瑠璃自身の葛藤。
色々あった事も忘れ、休ませるどころか、
昨日 一日中 体力を使わせた。
旅が終ったら、ゆっくり休ませてやろうと思っていたのに、本末転倒。
家康が瑠璃の身を案じて怒るのも当り前だ。
「本当…何やってんだ…」
猛反省した政宗はそれから、瑠璃と距離を取るよう努力した。
目を覚ましたと聞き、様子を見に行っても、近くに寄らなかった。
その後、何度様子を見に行っても、近くに寄らなかった。
「政宗、どうして近くに来ないんですか?」
「いや、俺、忙しいからな」
「?」
「そこまで、行く時間がない」
「え?」
「そこまで、遠すぎて行けない」
なんとかかんとか、言ってはすぐに去って行く。