第20章 禁止令発動
他にも
「お水……」
と瑠璃が言うと
「飲ませてやる」
そう言って口移しで飲まされ、
お腹が空くと政宗が食事を持って来て
「食わせてやる、口開けろ」
「〜〜////」
「ほら、あーん」
「あ…あー…///」
(恥ずかしい……過剰…💢)
そんな今日を微睡みの中で思い出していると、
フワッと身体が浮いた。
「湯浴みの用意が出来た。連れてってやる」
抱き上げられ連れて行かれ、湯に入れられる。
一日中、政宗と一緒で、一日中抱きしめられていた。
「幸せだな……」
「ん?」
「ずーっと2人でこうしてたから」
少し恥ずかしそうで、それなのに、
柔和な笑顔で困ったように見上げて来る瑠璃。
政宗の好きな困った瑠璃の笑顔に、
湯の中だから熱くなったのではなくて、
身体の中から温度が上がりそうになって、
瑠璃の笑顔から目を背けた。
「俺も、幸せだった…」
気持ちよかった の間違いだ。
けれど、瑠璃の幸せな1日の幕切れが
こんなに突然だとは思わなかった。
抱えられて湯から上がり、脱衣所の床に足を付いて、今日初めて地に立ったー……次に瑠璃の意識は真っ暗に途切れた。