• テキストサイズ

《イケメン戦国》未来から来たお姫様

第3章 初夏の訪問者




「あ、それから、姫様扱いしなくていいからな」
と付け加えて行ってしまう。
女中達は首を傾げたまま、政宗を見送った。



それ以来、用事を言いつけられると、
ちょこちょこと動き回り始めた。
最初の頃はオロオロしていた女中達も
今では何の戸惑いもなく瑠璃に仕事を与える。

瑠璃は口数は少ないが、柔らかい
雰囲気を持って、徐々に皆に馴染んでいった。



「瑠璃、俺は出掛けてくるから、
何かあれば小十郎に言えよ」

城下に出掛けようと廊下を歩いると、
女中達と居る瑠璃に出会った。

「はい、私の事は心配いりませんよ?
気を付けていってらっしゃって下さい」
瑠璃が微笑む。
「ああ、お前等、瑠璃を頼んだぞ」
「はい、
瑠璃様、政宗様がお出掛け
なさったら、お茶にしましょう〜」
横から耳打ちする女中に
「ふふ、そうね。
鬼の居ぬ間に…なんとやらですね」
と、返す。

「おーい、鬼はないだろ。
美味い菓子を作ってやってるだろ」
眉をひそめてみせる政宗に
「冗談に決まってるじゃないですか〜、ねぇ」
と、女中に笑いかける。

随分と仲良くなった様子に安心して、
政宗は城下へと出掛けていった。



/ 1530ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp