第19章 早朝の戯れ事(R18)
(キレイだな…)
なすがままにされつつ、目を開けて見ていると
「なに、見てんだよ」
照れたのを隠してるのか、ちょっと怒った口調で おでこ にコツンされた。
「キレイだな、って思って」
確か以前にも、政宗がキレイだと思った記憶がある。
「俺がか?」
政宗は目を丸くして驚いた様子。
「キレイってのは、変か……えーっと……
カッコいい?男前?端整な?あっ、眉目秀麗?明眸皓歯……?」
「おーい、明眸皓歯はお前みたいな女に使うんだろ」
可笑しそうに笑う政宗。
「政宗だって綺麗ですよ」
(迷いの無い瞳、私に笑いかけ、言葉をくれる唇、繋いでくれる手、大切に思ってくれる心)
「全部、綺麗で大好き」
そっと口付ける。
「……瑠璃に言われるなら、
キレイってのも悪くないかもな」
満更でもなさそうに笑う政宗に、心が震える。
(なんだろう、この気持ち…)
もっと笑って欲しい。
もっと喜んで欲しい。
(好きって気持ちだけど、もっと…違う、何か…)