第15章 新年拝賀3 (謁見の刻)

美弥はなおも、声を荒げて非難する。
「皆も止めてくれないし、何にも言わないなんて酷い…。
瑠璃さん、泣いてるかもしれないよ…」
今度は、瑠璃を心配し痛心し泣きそうになる。
「美弥、瑠璃は泣いてなんかいないし、アレで良かったんだ。
気にすんな」
政宗が美弥に声をかける。
「政宗…何で？
何が良かったのよ！
男の人達の前で裸にならなきゃいけなかったんだよっ⁉︎良いわけないし、平気な筈ないよっっ‼︎」
政宗にも食ってかかる次第だ。
「美弥…」
秀吉が困ったように美弥の名を呼ぶ。

すると、高座で悠然と構えていた信長が
「美弥、貴様は ほとほと阿呆だな。
その頭に脳みそは入っているのか？」
からかう。
「馬鹿にしてるんですか⁉︎」
「ああ、そうだ。
どうしてお前は事の表面しか見ぬ。
自分の時の事を思い出してみろ。
俺が拾ったのだから俺の側に置く、と言った時ー…」
「あ……」
信長が何を言いたいのかようやく、美弥にも理解できた。

「疑われましたし、信じて貰えなかった…
特に秀吉さんには物凄く疑われた」
その言葉に、ニッと笑う信長。