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《イケメン戦国》未来から来たお姫様

第15章 新年拝賀3 (謁見の刻)



「俺はお前がどんな素性で、どこの者でも気にならん。もちろん、瑠璃に対してもだ。
俺が気に入るかどうか、それだけ。
どう言う経緯で政宗の処に住まい、囲っているか、素性も家柄も、俺は興味がない。
どうでもいい事だ。だが……」
一旦言葉を切った信長が、武将達を見回してから、また続ける。
「此処に居る者の中にはそうでない考えの者も居る。
そう言うヤツらを黙らせるのには、
あれが1番効果的かつ迅速な方法だっただけだ」
美弥は黙って信長の話を聞いていたが、

(でも、あんな恥ずかしいこと……)

心が付いて来れず、唇を噛む。

「美弥様。
一時的に恥ずかしいのと、ずっと疑われ続けるのはどちらが辛いでしょう。
屈辱でしょう。
しかも、本物だと言う証を持っているのに、
証明させてもらえず、疑われるのはどれ程悲しい事でしょう」
「三成くん……」
美弥の心を読んだのか、三成は美弥の
蟠(わだかま)りを解く言葉を優しくかける。
「美弥様も経験した筈です。
同じ思いをさせない為、私達一同を瞬時に
黙らせる為にされた事です」
冷たいようで優しい想い。
「それに、調べ終わった後もここに居たら、それこそ針の筵だろ。
さっさと下がらせたのも、信長様なりの配慮だと思うぞ」
と言う秀吉の言葉に
「そっか……ごめんなさい。解りました」
美弥が謝罪する。

「秀吉さんへのは配慮じゃなくて、戯れでしょうけどね」
「眺めはどうだった」
「光秀っっ、ばっか!俺は眺めてなんかー」
「眺める度胸なんてないですよね」
「家康っ、お前はッッ!」
ギャァギャア言い出す中、まだ複雑そうな表情をしている美弥に、三成は優しく微笑んで見せた。

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