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《イケメン戦国》未来から来たお姫様

第15章 新年拝賀3 (謁見の刻)



「すみませんが、帯を解いて頂けますか?」
「(え?帯を…?) ……わかりました」
瑠璃に頼まれ、華やかで美しく
結ばれている帯を美弥は解いてゆく。
(何を、どうして…)
瑠璃が振袖を脱ぐ。
後ろで美弥が悲痛な表情をした。
瑠璃は冷たい雰囲気のまま、美弥の方に向くと、肌着の右腕を抜く。
右腕で胸を隠し、左腕も抜く。

それを見た美弥の全ての動作が停止する。
同性の美弥から見ても、たおやかで、
儚くて綺麗だったからだ。

両腕で胸部を隠し正面に向き直ると、肩に掛かっている肌着を左手で払った。
雪のような上半身が艶艶と晒される。
腕で隠された胸の左端に雪笹の家紋。

「信長様!
も、もう、いいでしょう⁉︎止めてあげてっ」
誰も何も発さない静寂の中、美弥が声を上げる。
「美弥、貴様は黙っておれ。
今、お前が口を挟む場ではない」
ピシャリと信長に言い放たれて、美弥は身を竦ませた。

視線を一身に受ける瑠璃。
腰巻一枚で胸を隠して立っている。
真っ直ぐに顔を上げ、毅然とし、戸惑いも憂いも羞恥も見られない。
それはまるで感情のない人形のように、
無機的で虚ろな冷たさを漂わせているのに、
鋭く光るように強い目。

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