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《イケメン戦国》未来から来たお姫様

第2章 女神の正体




戌の刻(夜8時頃)になろうという頃。

瑠璃は衣紋掛に掛けられた、牡丹色の着物を眺めていた。

(楽しかった…後で部屋に行ったら、お礼を言わなくちゃ)

瑠璃は昼間、城下へ行った時の事を思い出して
幸せそうに微笑んだ。

(あんなに楽しかったのは、いつ以来かしら)

遠い目をしている 瑠璃だが、思い出す事は
出来なかった。

そして思った。

(政宗は私をどう扱うんだろう……)

敵でなければ変わらないと言ったけれど、
本心はどうなのだろうか。

瑠璃の心に暗いモノが渦巻く。

(皆 そうだった。
変わらないと言いながら、態度を変えていった…)

拭いきれない過去の悲しみ。
拭いきれないこれからの不安。

2つが重なり瑠璃の心が沈む。

(ダメ…)

陰鬱な気持ちを振り払うように頭を振って、
もう一度、牡丹色の美しい着物を見る。

(此処には私のを知る人は居ない…か…)

政宗が昼間瑠璃に言った言葉。

(私はここの時代の人間ではないから、
苗字なんて気にしなくても
大丈夫よね、きっと…)

前向きに考える事にした。

では何故政宗は、必要に氏(姓)を聞いたのか。
その事も尋ねてみようと思い、立ち上がった。





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