第14章 新年拝賀2(三成)
(政宗、瑠璃さん、気を悪くしてる?怒ってる?)
美弥が目で政宗に訴える。
(さあ?)
政宗は肩を竦めてみせるだけだ。
(え?もうっ、政宗!)
美弥が政宗を睨む。
政宗にだって分からない。
さっきは明らかにたじろぎ、困っていたが、
今はもう、それは控えてしまっている。
他の感情は読み取れない。
そんな中……
「花は恥じらひ、月は閉ず。魚は沈み、雁は落つ。さうなくとも、御魂 、消えん」
ずっと黙っていた瑠璃が歌を詠んだ。
美弥はまたもや停止。
三成は更に輝く笑顔になる。
「漢詩といって宜しいのでしょうか?
『採蓮女』の語句でしたね」
瑠璃は三成に確認する。
知っていて黙って聞いていたのだ。
兎角すれば、人が悪い。
皆が理解不能で悩んでいる処を楽しんで
いたとなれば、人が悪いどころの話ではない。