第13章 新年拝賀1(準備)
「出来ないなら、俺を信じろ。
俺の言葉を」
(全てを信じろとは、今はまだ言わない。
だから少しでも……)
祈る思い。
(心を開けーーー)
「俺の言葉を否定するって事は、俺自身も
否定するって事にならないか?瑠璃。
俺を信じられないから否定するんだろ」
薄情にも容赦無く追い込む。
滅茶苦茶でも屁理屈でも、少しでも瑠璃の心に近づきたかった。
「⁉︎ ちがう!
それは違います。政宗を否定なんてっ」
瑠璃が珍しく取り乱す。
(そんなつもりはない。絶対、絶対にっ)
勘違いして欲しくなかった。
心が軋んだ。
なぜ誤解されるのが怖く、つらく、悲しいのか。
瑠璃には解らなかった。
今まで、誰かに誤解されても痛まなかった心。
自分の言動を誰かが誤解し、自分から離れていったとしても。
それほど気にしたこともなかった。