第13章 新年拝賀1(準備)
「政宗…
そんな綺麗な名前勿体ないわ。
私は美しくも透明でもありません。
どっちかと言うと黒です」
瑠璃は自分を卑下した。
その言葉を聞いた政宗は、瑠璃を鋭く睨みつける。
「瑠璃。
謙遜も度が過ぎれば美しくない。
素直に受けろ。それも愛敬だろう。
でなけりゃ、お前の才も霞むぞ」
政宗は、強く真率に苦言を呈する。
政宗の辛辣なその言葉に瑠璃は唇を噛んで
「ごめんなさい……」
小さな声で羞謝する。
「良し。
お前は聡叡(そうえい)だ。それは心が澄んでいるからだ」
政宗は瑠璃の反省を見て取り言葉を続ける。
「だからこそ、玉瑛と言う名はぴったりだ。
俺の言葉を否定するな。
そうするって事は、お前自身をも否定していると考えろ」
瑠璃は眉をキツく寄せて政宗を見る。
まるで理解し難い物を見るような瑠璃。
「お前は全てが美しい。
自分に自信を持て。
もっと信じろ」
蒼い瞳は瑠璃から逸らされることはない。
(どうして、そんなに真っ直ぐに私を肯定するの…?私はそんなに……)
瑠璃は膝の上で拳を握り締める。