第11章 小田原停泊(R18)
政宗達が荷船にのって出発した後日
「ジイさん!
字読めるだろ?これ読んでくれよ」
7日は過ぎただろうある日、源蔵が、
政宗の書を持って薬屋に飛び込んで来た。
「騒々しいヤツじゃな。何のこっちゃ」
面倒くさそうに返事をする老主人。
「ちょっと前に、葛湯買って行ったお侍さんがいたろ?
そいつがくれたんだよ。
これ読んで、これ持って安土に来いって…
なぁ、なんて書いてあるんだ?」
源蔵の気迫に押され、老主人は書を開き読み聞かせた。
「内容はともかく……
あの方は奥州を統べる伊達政宗様じゃ」
老主人は内容には興味が無かったようだ。
「はぁぁ〜⁉︎
内容が重要だろ、ジィさん‼︎」
源蔵は興奮気味に薬屋の主人を見る。
「馬鹿め、誰に見初められたかの方が重要に決まっておるわっ」