第11章 小田原停泊(R18)
「政宗…起きてたの?」
「お前が俺を布団みたいに引っ張ったから」
「……あ…れ、政宗だったの…」
瑠璃は布団か政宗の腕か区別がついていなかったのだ。
「寒かったのか?火鉢の火起すか?」
疲れている上に寒ければ、風邪を引く。
「ううん…まだ、いい…。
政宗といれば暖かいし」
といって瑠璃はピッタリと政宗にひっつくと、
胸元に顔を埋めて、猫のように、スリッと擦り付ける。
(可愛いいんだけどな…けど、
寝起きの瑠璃はタチが悪いっーか……困る…
困る…困る…)
「瑠璃…いいか?」
「ん?うん」
何が良いかも言わず聞かれて、瑠璃は何も考えず、返事をした。
瑠璃の思考はまだ夢の中をふわふわしているのだ。
返事をすると政宗に口付けをされ、
腕が背中を滑ってスルっとお尻を撫でる。
さっきから困っていた政宗は、
忍耐をあっさり放棄する。