第11章 小田原停泊(R18)
翌日 朝遅くに瞼を上げた瑠璃。
「ん…」
微睡みの中で肩からずれ落ちた布団を
引き寄せた…と思ったのは、政宗の腕。
(あ、れ?)
政宗も疲れていたのだ、布団から出れないで瑠璃を抱きしめていた。
瑠璃が布団と間違って政宗の腕を
引っ張ったので、抱きしめていた政宗が更に密着する。
瑠璃が目を薄っすら開くと、
蒼い眼が優しく瑠璃を見ていた。
(綺麗な目だな……)
ボンヤリと思う瑠璃。
そして、弧を描いている政宗の唇に
なんの気無しに自分の唇を寄せた。
触れただけ。
「まさむね……」
と言ってまた 微睡みへと目を閉じる。
下ろした瞼に何かが触れる。
額にも頬にも、そして唇、鼻の先、耳。
「ん」
触れる何かを払うように顔を背けるが、
それでも触れてくるから、堪らず目を開ける。と
悪戯に成功したように嬉しそうな政宗が
笑顔で瑠璃を見ていた。