第63章 (終章)笑桜舞う春
「瑠璃姫は馬に乗りはる武家の姫ゆえ、
この様な遊びは退屈かと思いましたが、
なかなか、お上手にこなはられますなぁ」
瑠璃が射駆けを披露したのを観ていた公家の1人が、嫌味を言う。
「この様に優雅な遊びは、(持て余した)時間をゆるりと過ごすのには非常に最適にございますわ」
美しく笑って難なく返す。
「遊戯がお仕事やなんて、羨ましゅうございます」
クスリと笑うは嘲だ。
(政宗さん、あの陰湿な言葉を受けて、
活き活きとして見えるのは、俺だけですか?)
家康が眉を潜め、瑠璃の作られた冷笑を見ていた。
(いや…俺にも本領発揮、といった風に見えるぜ)
政宗も苦笑する。
(今のアイツは、土俵の上 だ…クククッ)
光秀も愉快そうに成り行きを見守っている。