第62章 同刻同進
「え?…今……」
「聞き間違いか?」という風な表情で言葉を失った源蔵。
それを他所に、
「源蔵さん、ようやっと、私の方見てくれた!」
ただただ、再会を喜んでいる瑠璃。
そんな瑠璃を見て、ホッと表情を緩めた源蔵はなんとか笑顔を作った。
「姫さん…元気そうで良かった」
「源蔵さんも。
泣きべそかいてなくて安心しました」
「なっ、泣きべそなんてかかねぇよっ!」
照れ隠しか、大声で反論した源蔵を瑠璃が笑っている。
「泣きべそかいて精進しろ。
俺は大いに期待してるぜ」
そんな言葉と共に、ポンっと後ろから
源蔵の頭に誰かの手が置かれた。