第62章 同刻同進
「おっまえ…じゃじゃ馬だなぁ。
門から出りゃいいだろうが。
怪我するとか考えなかったのか?」
政宗が呆れ顔で笑う。
「門から出て見つかったら家出 出来ないじゃない。
それに、怪我するなんて思いません。
そんなに鈍臭くはないつもりですからね」
自信満々に笑っている。
その瑠璃の笑顔はとても晴れやかに見えた。
(以前なら申し訳なさそうに笑っただろうに)
迷いがないというのは、これ程あっさり と人を晶煊(しょうけん)にさせるものなのか…
と政宗は感心した。
(瑠璃が心を解放出来るのも、
そう遠い未来ではなさそうだな)
そう思って政宗は瑠璃を暖眼した。
※晶煊…キラキラと輝き、暖かである。
※暖眼…あたたかい目つき。