第57章 新春来風の先
この瞬間どれだけ値踏み、品評されているのだろうか。
毎年の事ながらウンザリする。
瑠璃は恥らっているかのように、
伏し目がちにその不躾な視線を誤魔化す。
親族からは敵視されるように、鋭く観察され、それからは、精鋭と強い目で毅然と対峙する。
嫌味の一つや二つ、軽やかに躱さなければならない。
下手な言葉を放てば厄介事になるから、厄介だ。
出来るだけ、言葉を交わさないに限るし、
近寄って来て欲しくもない。
(ヒイラギが風に揺れてた)
刺々した葉で身を守る。
さっき見た柊木を瑠璃は思い出していた。