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《イケメン戦国》未来から来たお姫様
第56章 苦しみの先
「貴様…そんな死んだ眼をして、何の為に戦っておる」
謙信は口元にだけ憫笑を浮かべる。
「戦う意義も見失い、目の前の敵も正しく見えておらんヤツと刀を交える気はない。
顔を洗って出直せ」
謙信は政宗にそれだけを言うと、
刀を抜くことなく馬ごと背を向けた。
政宗への哀れみも嘲りも憤慨も落胆も何もない、ただただ、静かに冷たい声だった。
謙信も佐助の情報から瑠璃がいなくなったことを知っていたからだ。
(今のお前を見たならば、瑠璃、貴様はーー……)
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