第54章 それぞれの流光
ため息ばかり吐いていても、政務も戦もやってくる。
「ーー……ー…私からは以上です」
「3日後、一向宗鎮圧に出る。
よって、各々 準備を整えておけ」
三成の提案した策に、信長は号令を出した。
「俺が斬り込みます」
「政宗!この間も先頭だったじゃないか」
陰鬱としつつ、凄みのある険しい顔で申し出た政宗を、秀吉が止める。
「政宗さん、無鉄砲に斬り込むのはやめて下さい。
庇い切れません」
「庇ってくれなくて結構だ」
家康の言葉を刺刺しく否断。
「おい、政宗っ!お前いい加減にしろよ‼︎」
秀吉が怒りに腰を上げる。
(政宗さん…)
(政宗様ー…)