第52章 隔世遼遥
夜遅く実家へ帰り着いた。
母が何か小言を言っている。
「すみません…」
何を言っているかわからないが、謝っていたら、
「母さん、遅くなった事は明日でいいじゃないか。
瑠璃、もう遅いから部屋へ行って今日は休めよ」
政臣兄様が母を宥め、私を庇ってくれた。
「瑠璃、仙台の友達の所に泊まって来るって言っていたが、何かあったのか?」
光臣兄様が肩を抱いて、優しい声で気遣ってくれた。
「うん…友達とは別に何も……でも、
ちょっと…1人にしておいて欲しい。
光兄も政兄も…来ないで…ごめんなさい…」
なんとかそう言って、部屋に閉じこもった。