第51章 女神消失
外に出て、見上げた空は、今にも泣き出しそうに低く、重い雲が垂れ込めていて、薄暗くて肌寒い。
大手道を登って、黒金門で門番に挨拶をして、
脇門をくぐり、城内へ入る。
旧の暦では立冬を過ぎた頃、もうすぐ小雪。
西暦、現代なら11月中旬、秋も終わりの頃。
木々は葉をほぼ落とし、寒そうだ。
(みぞれ でも降りそうな空ね)
城の入口はもう目の前で、ポツポツと雨粒が落ちてきた。
(降ってきちゃった)
足を速め、入口に向かっていると、
政宗が出て来た。
「政宗っ」
瑠璃の声に気付いて、
手を上げた政宗の優しい眼が瑠璃を捉えた。