第50章 追懐秋天(R18)
政宗が玉貌の横顔を見ていると、
瑠璃が政宗の方を見て眉を下げた。
「政宗…そんなに、見つめないで下さいよ」
「何で?美人だな…と思ってみてたんだぜ」
「やだ…恥ずかしいから、やめてよって言ってるです…」
赤くなって俯いて、顔を両手で覆う。
名しか知らない。
何処から来たのかも、素性も分からない。
あの日、
戦場から連れ帰り、目覚めて初めて会話し、
一緒に食事をした時と同じ会話、同じ仕草。
でも、全てを知って、近い距離の今。
「この1年半、もう、ずっと言ってるのに、まだ照れるのか」
クククッ と喉で笑いながら、頭を撫でる。
「いつまでも反応は同じだな。でも…
距離はこんなにも近くなった。
それにーー…」