第50章 追懐秋天(R18)
強い目をして、真っ直ぐに政宗を見て。
「あるわけないです。
政宗がいて、幸せだと思っても、
後悔したことは一度もありません」
「何をいってるの?」とでも言わんばかりに
清々しく、断言した。
「私、ここに残る事、
自分で何かを選択して決めた初めての事で…気分良かった。
…それに、政宗のモノになったこと、
嬉しかった」
自分で決めた事に何か悪いことが起きても、
それはそれ。
瑠璃は後悔した事も、
戻りたいと思った事も、
一度だってなかった。
「そうか…安心した。
初めて俺のモノにした日から、ずっと…
これからもずっと、離さない、俺のモノだ」
政宗はやけに真剣な声音で言って、
閉じ込めるように、キツく瑠璃を抱きしめた。