第50章 追懐秋天(R18)
瑠璃の警戒心と猜疑心。
いつもピリッと張り詰めた気。
それは、簡単に人を寄せ付けず、
美しい所作と丁寧な言葉遣いは、
よそよそしさを感じた。
柔和に魅せて、冷たい作られた笑顔。
縮まらない距離。
俺も惹かれ始めていたのに、自分の気持ちに気付かず、距離はなかなか近づかなかった。
(いや、本当は戦場で見た時から、惹かれていた。
欲しくて堪らなかった…)
ただの興味本位で関わったが、
自分でも驚くほど 愛おしく、大切で、
構いたくて、あれこれ手を焼いた。
その結果が、今 だと思えば悪くなかった。
(愛情 注ぎまくったからな。こうならないと駄目だろ)
1人 満足した。