第2章 女神の正体
瑠璃も布団の中で天井を眺めながら、
頭の中を整理していた。
500年前、伊達政宗、戦の様子、服装、
このお城
(現代で言うところの 戦国時代 よね。
多分、間違いないと思うけど)
友人の居る仙台に遊びに行き、家に向う途中
突然の雷雨に見舞われた。
傘も無く、急いで軒先きに入ろうと走り出した時、
稲妻と共に大きな雷の音が轟いて、
ギュッと目を瞑った……。
目を開けるとそこは戦場だった。
荷物は持っていた。
部屋の隅には 持っていた旅行用カバンと
着ていた服が畳んで置いてある。
(タイムスリップって言うの?
本当にあったんだ…でも、なんで?私が?)
疑問ばかりが浮かんでくる。
(考えても仕方ないか…とりあえず、
生きて…る…)
生きていると思った瞬間、また戦場での
光景が浮かんで 涙が溢れる。
突然、戦場にいて、そうするしかなかった、
と言うわけにはいかなくて。
(敵も味方も私にはなかったのに)
それなのに、囲まれてると気付いたら、
助けなければと、思った。
助けずに逃げても良かった。
なぜだかわからないけれど、身体が動いてた。
近くに落ちていた弓矢を手にしていた。
(助ける為、矢を放ったと言うのは
大義名分だわ)
どんな理由であれ人の命を奪った。
(ごめんなさい、ごめんなさい……ごめん…)
罪の意識に囚われ、心の中で何度も謝る。
けれど、それが届くわけでも、
死者が生き返るわけでもない。
分かっていても、想わずには、謝罪せずには
平常心ではいられなかった。
瑠璃は泣きながら、眠りに落ちてゆく。
そして、また、同じ夢を見る。