第49章 創痕緩癒(R18)
「ここじゃ冷える」
立ち上がり、瑠璃の腕を引き上げれば、
フラッとして、瑠璃が政宗に縋る。
「ん?…力抜けて歩けないのか?」
揶揄いまじりに意地悪を言って瑠璃を覗き込めば、真っ赤な顔の潤んだ瞳と目が合った。
「…ま……歩け……いよ…////」
「抱いてってやるさ」
歩けなくても問題ないのに
「…駄目……」
恥ずかしそうに俯きながら、
小さく「駄目」と口にした。
(何で…?)
政宗が伺窺(きし)していると、
更に消えそうな か細い声で
「…着物…汚れちゃう…から…駄目なの…」
求め縋るような瑠璃の眼差しが、
「解って…」と言ってる。