第49章 創痕緩癒(R18)
はっ……は…
瑠璃は一瞬にして艶色を政宗に向ける。
「熟れ落ちた桃みたいだ」
(柔らかく、とろりと甘い果実みたいだ)
ゴクッっと喉が鳴る。
「食べるの?」
食べて と言わんばかりの切望に似た欲望の眼。
「あぁ、ゆっくり味わってな」
(直接「食べて」って言わないところが…)
恥じらいながら、淫心が見え隠れしているのが、堪らなく政宗の胸を掻き乱す。
(イイ…)
男女の駆け引きなんて出来もしないくせに、
狡猾にあざとい女らしく、果敢に仕掛けてくる可愛さ。
(そのうち「食べて」って言わせてやるけどな)
政宗は瑠璃を見下ろして愉しげに笑う。