第9章 師走の書状(R18)
ほら、今だって、素直に衿元(えりもと)を開かれ、肩口まで曝したのに
「やだ、政宗ぇ…
明るいから恥ずかしいぃ」
と言って、胸元を掴んで着物が肌蹴られるのを阻止している。
「手ぇ退(の)けろよ」
「ダメ……」
弱々しい抵抗は俺を煽るって。
「火ぃつけたのはお前だ」
「キ、口付けただけだよぉ」
小憎ったらしい口だな。
紅を引いていない桃色の唇を何度も啄み、吸い付くと、ぷっくらと腫れて、紅を差し熟れた果実のようになった。
「ん、よし、食べ頃だな」
喜色満面で食べようと、後ろ抱きにしていたのを横抱きに抱き直す。
瑠璃がなんとか脱出しようと身を捩る。
「お、お仕事、して下さい」
瑠璃の理性と羞恥を取り払って俺に従わせるのも一興だ。
「心配するな、仕事はお前を喰った後、する」
赤くなった唇が、また次の言葉を発する前に唇を塞ぐ。
ちゅ ちゅっ、ヂュルっ
「ん…はぁっ…」
進入させた舌で瑠璃の口内を探る。
歯列をなぞり、舌を追いかける。
絡めようとした舌は上手く逃げる。
だから、俺も舌を避けて、硬口蓋をくすぐり歯肉の内側をなぞる。
ぢゅ、ちゅるっ
瑠璃が唾液を溢すまいとしたその隙をついて舌を絡め取った。
ぢゅる……ぢゅ、くちゅ、ぐちゅ…
「はっっ、はっ、んっ、んんっっ」
瑠璃は手に力も無く、襟元を掴んでいる。
それを押し退けて襟合わせから手を入れる。
それでも俺の手首を掴んで押し返そうとする。
くくく…
(そのか弱い抵抗、いつまで続くかな?)