第9章 師走の書状(R18)
「お前も大概、俺のこと好きだな」
と満更でもなさそうに笑うと、
政宗は更に唇を何度も重ね返した。
(こんな時だけ素直なのか、いつも素直なのか最近わからなくなってきた……)
それも、愛おしく思うと、
内心で苦笑しながら口付けを続けた。
この清楚で凜とした、清廉潔白そうな女が、
上品で美しく強く、難攻不落そうな女が、
自分に堕ちて、その口から淫らな言葉を零す。
(誰がそんな姿を想像する?知ってる?)
知っているのは自分だけだと思うだけで、
官能的充足感と優越を感じる。
可愛く口付けてきては、顔を真っ赤にして俯く乙女。どうかすれば童女(わらわめ)のような反応をするくせに、ふとした瞬間に、大人の色香を纏った女みたいな反応もする。
翻弄されるのはいつも俺の方だ。