第47章 (終章) 煙の消えた後
傷創を痛哭したばかり。
ひどく辛いはず。
努めて 明るく気丈に振舞っているだろうことは、俺じゃなくても、誰の目にも明らかだ。
ならば俺も、努めて、甘く優しく笑いかけてやろう。
「お前の事は、俺が癒して、痛みは俺が塗り替えてやるさ」
(お前の負った痛みは代わってやれない。
だけど、替わりに俺が癒してやるよ)
「…まぁ、じゃあ、ずっと治らないでいようかな」
「おいおい、俺は面倒見るとは言ってないぞ」
「そうですか、じゃあ、もう平気。
政宗様は、お仕事に行かれて結構ですわ」
憎まれ口は瑠璃らしい対応。
それは、わざと 平気、大丈夫を俺に見せつける為、なんて俺にはもう分かる。