第47章 (終章) 煙の消えた後
森で捕まって怪我をした時も、同じ事を言っていた。
「生きて救い出してくれて、ありがとうございます」
剛柔に微笑まれた。
(どうしてそんなに…)
「強いな。
そんなだと、俺の出る幕はないな」
苦笑すれば
「弱さは要らない と言われ、頑張って生きてきました。
なのに、政宗は私を弱くした。
だけど、私を強くするのも政宗です」
(私を強くも弱くもするのはアナタだ)
「どんな事があっても、政宗と一緒に笑っていたいから、強くなります」
瀏廉(りゅうれん)と不安も恐れもない
透徹な瞳が俺に笑いかけている。
(政宗のせいじゃないから、責めないで。
私は助かったからそれでいい…)
※剛柔…強くて柔らかい。
※瀏廉…清く明らかで潔い。
※透徹…透き通って明らか。