第47章 (終章) 煙の消えた後
「政宗、助けてくれて、ありがとう」
朝、聞いた時より、安堵と痛恨の混ざった、
もっと深い心のこもった声に聞こえた。
その声は、俺を悔しく、やるせなくさせた。
「もっと早く助けてやってたら、
身体も心も、こんなに傷付かずに済んでた」
吐き捨てるようにそう言っていた。
なのに、瑠璃は俺の手を包む様に握って、
俺に真っ直ぐで優倹な雰囲気の瞳を向けて来た。
「……政宗…、命があれば、怪我は治ります。
心の傷もいつかは癒えるから、大丈夫ですよ」
(前にもー…)
※優倹…穏やかでつづまやか。