第47章 (終章) 煙の消えた後
「痛くて、苦しくて、辛かったよ…死ぬかと思った」
震える声だけど、縋るようでも責めて訴えるようでもなく、
状況を話そうとするように、
一生懸命 冷静さを取り戻そうとしながら話す。
「…もう会えないと思った。
正気の時は、政宗に会いたいと思った。
…助けに来てくれるって、信じて。
でも……
頭がおかしくなって、駄目だと思ったり、
大丈夫だと思ったり、また絶望したり…
耐えても、耐えられなくて…
…信じたいのに信じられなくて……私……」
大麻に侵された恐怖と絶望。
今もそれに耐えるような声で、
心の中を告白する瑠璃。
「あぁ…よく耐えたぞ。
いい子だ…よく耐えてくれたな…」
抱きしめる腕に力が入る。
「…瑠璃…ごめんな」
「政宗、助けてくれて、ありがとう」
色んな事をを思って恨んだり泣いたとしても、私が最後に口にするのは、この言葉しかなかった。