第47章 (終章) 煙の消えた後
もう過ぎ去った感情や痛みのはずなのに、
今 また、それが押し寄せて来て、
痛めつけられた苦しみと屈辱を思い出して、
そして、あそこに囲われていた人達の事を想って、泣けてくるのだ。
「うぇぇぇーーーぇん…ぐすっ…
…ぅぅぅぅ…ぇぇーん……」
どれくらいか、泣いている瑠璃を慰めるように髪を撫で、背中を摩っていた政宗。
「早く助けてやれなくて、悪かった…」
本当に申し訳なく、悔しそうな政宗の声。
後悔の声。
その声に、涙に濡れた顔を上げた。
「…政宗…怖かった、怖かったよ…」
震える涙声で瑠璃が告白する。
瑠璃の告白に政宗はキツく眉を寄せた。