第46章 狂地からの救出
(手が、身体が、頭が…全部がーー…)
「痛い痛い、痛いぃぃ!
まさ、むねぇぇーっ‼︎」
頭を振り、身体を捩り、逃げようとバタバタと暴れる。
「嫌やぁ、いややっ!政宗!まさむね‼︎
まさむねぇぇぇっっ」
もう、何も構っていられなかった。
誰かの代わりとか、誰かを守るとか、
何かを隠すとか、そんなもの、吹っ飛んでいた。
いや、頭の中に無かった。
本能のまま、思いのまま、泣き、
暴れられるだけ暴れて、叫び呼んだ。
自分の上にいるのが政宗ではない事、
その恐怖と絶望感しか頭になかった。