第46章 狂地からの救出
「家康っ、一歩退がれ」
「はい」
政宗に言われ、一歩後退し、体重を掛けた家康の足元が、ギ…シッ と音を立てた。
暗くて判らなかった。そこだけ 木の扉。
地下室……
「……と思ったが、地下道を作ってやがったのか」
忌々しげに政宗が言葉を吐き出す。
「外への抜け道でしょうか。
奥に階段がありますけど」
階段を降りてみれば、短い通路の先にもうひとつ階段が見える。
燭台で照らす地面に目を凝らして見た家康が
「政宗さん、誰か引き摺られながら歩いた跡ですよ」
示唆する。
もうその先に
((瑠璃が居るのは間違いない))
暗闇の先に向かって、足音を立てないように歩き出した。