第45章 煙に隠れた人探し
政宗だけは、信長の瞳を見つめたまま。
(こうして、しらみっつぶしに探してる間にも、瑠璃は…っ)
ギリギリと歯を食いしばり、
拳を握り湧き上がる怒りに耐える様に眉を寄せる。
そんな政宗に
「政宗、気持ちは解る」
信長が声をかけた。
「下間を尋問すれば済む事だ。
なのに、なぜ、捜索に行くんです。
時間の無駄だっ。
こうしてる間にも瑠璃はっ」
尋問は口を割らせる最終手段であることは、
政宗も頭では解っている。
けれど、今は、瑠璃に起きる最悪の事しか考えられない。
(生きててくれ…
ただの拷責で終わってくれ……)