第45章 煙に隠れた人探し
どんなに傷ついて、怪我をしていても、
ただ生きていればそれでいいと思う反面、
女として泣く事ない形で無事でいて欲しいと思う。
正直、隠さず言うならば、
(俺以外の誰かに、穢されることだけは、絶対にーー…)
阻止したい。
いや、
(許せない。俺のだから)
アイツは俺だけの女神だから。
「これでこの港を一斉清掃出来る。
どの屋敷、店にも瑠璃を隠していなければ、
下間を尋問し吐かせる。
焦るな。
今暫く 耐えろ」
信長は荒れる政宗を制して静かに諭す。
信長とて、瑠璃の身を案じていない訳ではない。
けれど、不正を見逃していた前田利家に喝を入れ、この港や私利私欲にまみれた悪人は、一度に漏れ無く一掃しなければ意味がない。
信長も仕方なく、堪えているのだった。
1日、2日とも思える数刻。
それは、皆、同じだった。