第45章 煙に隠れた人探し
「しかも、守護代に在る者が、廓を所有しているとは」
「は?」
利家は耳を疑った。
「下間は廓を所有し、そこで、大麻(オオアサ)を使用し、そこからも利益を得ています」
三成が付け加える。
利家は怒っているのか、恐れているのか、
青くなってブルブルと肩を震わせて下を向いている。
「これより、ここに捕まえた下間氏邸宅と
商家、廓へ向かい、瑠璃を探す。
連れて行け。案内をさせろ」
武将達を促す。
「利家、兵を連れて来たであろうな」
信長はここに来てすぐ、前田利家に
兵を連れて来るよう早馬を出していた。
利家は突然の出向命令に、何事か⁉︎と
慌ててやって来たのだった。
「お前も、行け」
「ははっ…」
慌てやって来たらこの有様。
信長の命令に利家が、敬服し、
急いで立ち上がった。