第45章 煙に隠れた人探し
「引き裂かれる痛みはどうだ?」
怨毒に侵され狂った。
狂暴にして狂気の沙汰。
「この指の股を切って、少しずつ引っ張り広げ、裂いてやろう。
干し烏賊の足みたいに一本ずつ綺麗に裂けたら、信長の処へ贈ってやろう」
信長への怨み、復讐に狂い
「信長の女」である瑠璃を讐視している。
「ふっははははっ
どんなに美しくても、女は所詮女だ。
男には敵う訳がない!
それなのに〜っ、美しい女は皆、
ワシをコケにし、蔑み、馬鹿にしおったっ!
許せぬ、許せぬーぅ💢」
蛙男はひとり、憤怒に顔を赤くしたり青くしたりして、喚き散らす。
しかし、大麻に侵食され、痛ぶられ続けている瑠璃には、怨怒の男など映っていなかった。
が、
「…っ…あっっ」
男に手首を掴まれた弾みに、
瑠璃の瞳の焦点が合う。
眉をハの字にして、身体中の激痛の為か、涙を溢した。