第45章 煙に隠れた人探し
「ぅぐっ…はっ、あっっ……」
背中を殴られれば、肋骨の何処かが折れているのか、胸部が痛む。
ジユウゥゥー
「づぅぅーーーっ…」
煙管の火皿を脚や腕に押し付けられる。
もう既に数十箇所に焼き痕があり、膿始めている所もある。
痛みの瞬間は ギューーっと目を瞑り、眉を寄せ、辛そうに耐えても、すぐに、青紫色に腫れた口元に笑みを浮かべる瑠璃。
「くふふふふっ…」
「くっ💢」
笑う瑠璃に苛立ち、男はまた叩く。
それの繰り返しだった。
「もう殴られる痛みにも慣れてしまって、
痛くも痒くもないか?
そろそろ、違う痛みを与えてやろう」
ヒッヒッヒヒ…と下衆に笑う男は、
瑠璃とは別の意味で狂っている。