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《イケメン戦国》未来から来たお姫様

第8章 神無月の決断



それから、台所へ向かい、釜戸から火種を持ちだし、外に出て落ち葉を集めると
火を点けた。

(お母様、お別れします。さよなら。
大好きな兄様、どうか幸せでいて下さい。
お父様、お元気で…)

写真の中の誰も笑っていない。
(コレが家族とは…笑えるわ)
可笑しさか込み上げ、口元に嫌な笑みが
浮かぶ。


ザッ
背後に誰が立った。
「政宗ね」
「おー怖っ、足音で判るのか」
おおげさに肩を竦めて見せ、屈み込む。
「何だそれ。
それに、芋でも焼くのか?」
振り仰ぎ政宗に笑いかける瑠璃。
「ええ、焼き芋の季節でしょ?
……なーんて、嘘。
コレにお別れしてました」
写真を政宗に差し出す。

「これ……
お前だよな?絵?じゃないか…
何だこの不思議な紙」
心底不思議そうに写真を見つめる政宗に、
瑠璃が説明する。
「へぇぇー。未来ってすげーなぁ」
写真を裏表ひっくり返しながら関心する。

「お前の家族か。いくつの時だ?」
瑠璃も立ち上がり政宗の手の中の写真を
見る。
「18の時です。
父と母、私の左が上の兄、右が下の兄です」
写真の兄を見た時、少しだけ瑠璃が懐かしそうに目を細めのたのを、
政宗は見逃さなかった。
「上の兄上はお前に似てる」
「母似なの…」
「それに…光秀にも似てる」

政宗は面白くなさそうに言う。

「雰囲気かな?あ、言動も似てますね。
冷めた態度で優しくしてくれるの。
ほんと可愛くないけど、大好きだった。
光臣兄様…」

(名前も似てんのか)

「正臣兄様は明るくて、いつも私を笑わせてくれて、おおらかな人だった。
私を強く守ってくれた。
政宗みたいな感じかな」
と、瑠璃は嬉しそうに政宗に笑いかける。


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