第44章 煙に霞む屋敷廓
そう思っても、すぐに頭に霞がかかった様になって集中出来なくなり、そしてまた、頭の中が騒がしくなる。
「っぁっ…っぅ〜…」
「くっふふふ
お前もここで、オオアサの虜になり、廃人となるが良い」
腹立たしいほど見下される。
「オオアサ…」
言われて、ここの女の様子と原因と、
香と一緒に煙るような匂いの正体が見えた。
(オオ…アサ……大、麻……‼︎)
大麻、マリファナ、それは現在の日本では
栽培も売買も禁止されているが、
昔から自然に自生しているもの。
瑠璃は身震いした。
命が助かっても、精神を大麻に蝕まれ、
自分は自分では無くなるかもしれない、
と 知識として知っているからだ。
(逃げておけば良かった……
今からでも、逃げる方法を考えな………)