第44章 煙に霞む屋敷廓
(瑠璃…待ってろ、絶対に死ぬな)
政宗も強く想う。
「そうか、あの女らしい。
そうだ、貴様は我々と瑠璃を信じて待っているが良い」
信長はそう言うと、相変わらず強い眼をし笑って出発した。
けれど、
瑠璃が、馬に乗れ、弓が引け、どんなに賢くても、女だ。
男の力には到底 敵わない。
瑠璃がどんなに精神力が高く、強さを持っていても、それをいつまで保てるかは 分からない。
皆 一様に心配していた。
なぜなら……
女への拷問拷責の方法は、 ただ単に肉体的苦痛を与えるだけではない事を、武将達は皆、嫌と言うほどに知っているからだ。