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テニ夢企画用

第1章 【見えない角度で手を握り締め】財前光


「な、なんやのあれ!」

私がボーッとしとると、【友人名前】ちゃんが怒りの声を上げる。
それに驚いて挟んでいた卵焼きを落としてしまった。

「てか【夢主名前】はなんとも思わんの!」
「積極的に話しかけてるのすごいなって」

私が馬鹿正直に答えると呆れた視線を向けられた。
【友人名前】ちゃんの言いたいことは分かる。
せやけどほんまにそないな感情が今の私を1番占めとるのやから仕方がない。

「ちょっと私が財前くんに言うてくるわ!」
「え!?ちょ、ちょっと【友人名前】ちゃん!?」

彼女の剣幕に驚いて反応が遅れたが、私は慌てて立ち上がり彼女の腕を引っ張る。

「【夢主名前】!あんたええの!?彼女をほっぽりだして他の女の子と昼ご飯食べとんの!」
「いや、よくはないけど」
「とりあえず財前くんを殴らせて!」
「流石にそれは止めて!」

私は今にも駆け出して財前くんに殴りかかりに行きそうな【友人名前】ちゃんの腕を必死に引っ張る。
事情もわからへんのに殴るのは流石によくないだろうと思ったからだ。
情に厚く、私のことを心配してくれとる【友人名前】ちゃんの気持ちは痛いほどに分かるし嬉しいと思うけれども流石にやりすぎやと思う。

「な、なんや!?どないしたん?」

私と【友人名前】ちゃんが暫く小競り合いを続けていると屋上の扉がしらん間に開かれていて驚いた声がこの場に響いた。
声の方へ視線を向けると、私達を驚いた表情で見とる白石先輩と忍足先輩がおることに気が付く。

「あ、あの!【友人名前】ちゃんを止めるの手伝って下さい!」

普段ならそないな事を先輩にお願いなんてできひんがパニックになっとった私はなりふり構っていられへんかった。
私の必死の形相に2人は何かあったのだと直ぐに察してくれたのか私たちの方へと駆け寄ってくれる。

「と、とりあえず落ち着き?」
「先輩!見てくださいよ!あれ!」
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