第2章 【人気者の君に妬く】丸井ブン太
やはり柳からの回答は俺の想像した通りで【夢主名前】が自分から真田に進言したらしい。
やっぱあいつそういうとこ若干真田に似てんなって思った。
「えぇ!?【夢主名前】先輩、副部長に自分からそんな事言ったんっすか!?」
赤也は柳話を聞いて驚きの声を上げる。
まぁ、そう思うよな普通と俺は2人の会話を聞き流し、部活後にどういう理由であいつを待とうかと考えていたのだった――。
結局あれから妙案も浮かばず、いつも通りで良いかと思った俺は、ジャッカルに適当に時間潰してから帰るわと一緒に帰らない事を告げると、ジャッカルは理由を察して笑った。
『【夢主名前】にお疲れって言っといてくれ』なんて笑いながらジャッカルは俺の後ろから告げたので、俺は軽く手をあげて返事をした。
俺は一足先に部室へと向かって着替える。
校内で適当に時間を潰したり、家庭科室に何か余り物でもないか覗きに行ったりすると結構いい時間が経っていたので再び部室へと戻るとそこには1人だけ残っている人物がいた。
「丸井先輩!?」
俺が部室に再び顔を出すと【夢主名前】の後輩マネージャーの【女性名字】が驚いた声をあげた。
俺も特に誰もいないと思ってたし、鍵も開いてたから誰も着替えてもないだろと思ってノックもせずに入ったから【女性名字】がいて驚いた。
でも驚いたのを察せられるのも嫌だったから「よっ」とだけ声をかけて部室にある椅子に座る。
「もしかして【夢主名前】先輩迎えに来ました?」
「まぁ…そうとも言うかもな。差し入れ的なやつ」
そう言って俺はさっき家庭科室で貰ったマフィンの袋をいくつか取り出す。
家庭科部のやつらに、時たま作り過ぎるから困ってると以前に言われていたので、こうして気が向いた時に余り物を貰いに行くのが日課になっていた。
今日は思ったよりも数が多かったのでラッキーだった。
1つの包を持って俺は【女性名字】に差し出す。
「食うか?流石に【夢主名前】もこんなには食べないだろぃ?」
俺が笑いながらそう言うと、【女性名字】も甘いものが好きな女子の様で嬉しそうにお礼を言って俺の差し出した袋を受け取る。
嬉しそうに笑ってるからやっぱ甘いもんだよなーと内心それを見て俺も笑った。