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テニ夢企画用

第2章 【人気者の君に妬く】丸井ブン太


今までずっと一緒にいて全くもって気付けなかった自分に嫌気がさす。
でもそんな事よりこんな風に胸が痛くなる事の方がカッコ悪と思うし、こんな気持ちにさいなまれるぐらいならちゃんとしとけば良かったなと思った。
そんなモヤモヤとした気持ちを抱えて過ごす今日は本当に最悪でいくら大好きなお菓子を食べても俺の心が満たされる事がなく進んでいく。
そしてようやく部活の時間になってくれたのでスッキリする為にもテニスに打ち込むかと意気込んだ俺の気持ちは割と呆気なく潰される事になったのだった。

「丸井先輩」

こっそりと部活中に赤也に話しかけられて俺は風船ガムを膨らましながらそちらに顔を向ける。
いつもならこちらの事なんてお構いなしに聞いてくる赤也が聞きづらそうな仕草をしてから俺に意を決して話しかけてきた。
この表情は今日幾度となく見た。
俺に話しかけてくるやつの今日の話の話題は大抵決まってる。

「【夢主名前】先輩と幸村部長が付き合ってるってマジなんっすか!?」

赤也の言葉に膨らましたガムがパチンと潰れた。
今日何度聞かれたか分からない台詞にまだ動揺するとか…俺、本当にどうしちまったんだよと内心呆れた。
今日は本当にこの話題ばかりだった。
みんな飽きねぇのな…とも思ったけど。

「知らねぇーよ」
「えぇ!?先輩も知らないんっすか!?」

俺の返事に赤也は驚いた声を上げた。
本当に【夢主名前】の事を聞いてくるヤツ多すぎだろぃと俺はもう放課後にもなると嫌気がさしてきていた。
元々幼馴染なのは周りに知られているし、よく一緒にいるから聞きやすい相手なのは分かるが、聞かれる度に意外とあいつの色恋沙汰に興味ある奴が多い事に気付かされてどちらかというとそっちに嫌気がさした。
やっぱあいつ人気あんだなと実感させられて辟易する。
てか赤也の学年にまで噂回ってんのかよと思った。
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